言葉を失いかけた
なるほどたしかに女の子に見える
すこし長めのふわふわとした髪
華奢な体
小さい体
それくらいはわかっていたが斜め後ろからみるだけで
まったくもって違う印象をもった


「・・・/////」
一瞬自分の脳内に浮かんだ言葉を
自分で必死に否定した
だってそんなのみとめちまえば


なんかくやしかったから


「ほら!いつまでもまたせてないで行きな!」
そう言って力強く押され
おれはよろめく形で店を出た

「あ、ヒョロさんおわったんですかニャ?」
ベンチからひょいととびおりると
小走りにおれのとこまで走ってきた


そのようすが
ひどくいたいけでかわいらしく
見えてしまった


「(どうかしてるのかオレは・・)」
「ああ、行くぞ」
「はいですニャ」


そう会話をかわすと
おれたちは歩き始めた


いくらか進んだ土手の上
おれはそこで止まり
ミケにも止まるように言った


「そういえば何を買ったんですかニャ?」
あらためて気になってましたといわんばかりに
アイツは聞いてくる


「コレだよ」
そう言って袋から
特徴的な形をしたビンをとりだす


「?ジュースですかニャ?」
頭に疑問符をうかべながら聞いてくる
その反応に心底驚いてしまう


「!?オマエ・・・ラムネ知らないのか?」
「う・・すいませんニャ・・・しらないですニャ」


「・・・・」
こいつの過去は知っている
だからこそ知らなくても不思議ではない


「まあジュース・・というよりかは炭酸飲料かな」
「そうなんですかニャ」
「まあとりあえず飲んでみろよ」
「そうですニャ」


そう言って
1本を渡す
同じようにオレも1本をとる


「どうやって開けるんですかニャ?」


なるほどたしかにしってるやつにしかわからない
そう思いおれは説明をしてやった


「・・・ってわけだわかったな?」
「はいですニャ!」


そう言うとアイツは勢いよく
実行した
「あ、噴出すのに注意しろ・・」
「ギニャー!」


わすれていた
こいつはドがいくつもつくぐらい
マヌケだということを


忠告が届く前に
やつは顔に思いっきり
ラムネをかぶっていた


「な、なんですかニャ〜」
「だから注意しろっていったじゃねえか」


タオルで顔を拭いてやる
「目にしみますニャ〜」
「炭酸だから当たり前だろ・・・たく・・」


目にしみる〜というアイツの
なみだ目に
ドキリと心臓がはねる


「////」
 

違う
心の中で否定する
だけど
違わない


「・・・・?ヒョロさん?」
「な、なんだ?」


まさか自分の気持ちがバレたのではないかと
正直ドキっとした


「コレはなんですかニャ?」
そういってビンの中のある物体を指す


心底ほっとしながらおれは答える
「あ、ああそれはなビー球だ」
「なんで飲み物の中にビー玉が?」

たしかに
よくよく考えてみればなぜだかわからない

「さあ・・・そこまでは・・・て、飲めよオマエ!炭酸ぬけるぞ!」
「ニャニャ!そうですニャ!のみますニャ」


答えられないのに不甲斐なさをかんじたおれは
飲むようにせかした

「・・・おいしいですニャ!」
「だろ?これが最高!」


そんなことを言って笑いあう
飲んでいる途中にミケが口を開いた


「・・・ビー玉邪魔じゃないですかニャ?」
「ん・・・まあたしかにな飲むのには邪魔だな」


何気なく聞かれた言葉に
何気なく返した言葉が


ミケを傷つけることになるなんて
思いもしなかった


続く


なんか長いなww
あと1話か2話で完結する予定です〜。

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