「くさかげさん…」
声があがる
ドアをみるとまだ湿った体から湯気があがっていた

わいは再び腕を掴んでトピをつれ自分の部屋へと戻った
タオルをまといシャンプーの匂いを香らせるトピと2人きり
頭が狂いそうになる
間違いを起こしそうになる感情をなんとか抑えつける

深呼吸をし落ち着こうとする
ゼイムの先程の言葉が蘇る


「なんでこんなことしたんや…」
怒らないようにゆったりとわいは聞く
「ごめんなさい…でもボクどうしてもくさかげさんがボクから離れた理由がわからなくて…どうしてもくさかげさんから聞きたくて…」
「…なんで大学には来んかったんや…」
「いったら迷惑だし…会ってくれないと思って…」
冴えてるなと思った
自分がただただ単純なだけかもしれないが…

「ねえ…理由聞かせてください…ボク直すように頑張って努力しますそこ…だから…だから…」


「嫌いにならないでください…」
泣きながらそう懇願する
いたたまれないでは表現しきれない…
抱きしめたいという感情を必死で押し殺し
わいは落とし前をつけることにした


「違うんや…わい…ほんまはトピのこと大好きやねん…せやけど…せやけど…わいなんかと一緒におったらあかんのや」
「なんでですか!!」
強い口調
はっきりいっておののいてしまった
強い目に強い口調

「忘れたんかトピ…お前に最初にわいがしたこと」

わい自身思い出したくない記憶
あの頃の自分を殺せるなら殺してしまいたい
止めれるなら止めたい
だが消せない紛れもない事実

「忘れへんやろ…わいはあういう生き物なんや…嫌やろ…幸せになんかなられへんねん…せやからな…他にもシブとかいう子とかひのやとか…トピを好きな奴はようけおる
せやから…そいつらと一緒におったほうが…お前のためや思たんや…」


暫くの沈黙
やがてすすり泣きが聞こえる
泣いているのはもちろんわいではなくトピ

「ごめんなさい…」
静寂を破ったのはトピだった
しかし台詞はおかしい
「なんでや!!なんで謝るねん!!」
つい口調が強くなる
彼が謝る理由も意味もないからだ
「だって…だって…くさかげさんには…シブくんやひのさんと一緒にいるボクのほうが…幸せそうに見えたんでしょ?
だから…だから…」


ほんまに
こいつは大アホや

なんでも自分が悪いように悪いように受け止めて
わいを非難しない

「ボク…くさかげさんと一緒にいるときが…一番…一番楽しくて嬉しくて幸せなのに…」


負けや

わいの


完敗や


薄く笑いを浮かべ
もう我慢しないと息巻き
わいは勢い良くトピ抱きついて抱きしめた
「アホやな…いまのがわいと離れる唯一のチャンスやったかもしれんで?
そんな大事なもん逃してもて…」
逃げられないように
逃がさないように
離さないように

しっかりとだきとめながらわいは耳元で呟く
そんなわいの手に手を添えてトピは呟いた


「本当に…唯一にしてくださいね」

そう言ってトピは目を瞑った

本当に完敗や
わいはトピを優しく抱きしめ直し
静かに行動をおこした

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とりあえずは完結です!!

ここまでのご拝読ありがとうございました!!

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