+変化とは日常+


今日はなんだか良いことがありそう


そういう予感ってきっと朝起きた時におこる


それはたわいのないことだし
偶然の連続かもしれやい
だけどそれだけでテンションが簡単にあがるのだから
僕は幾分やりやすい奴だ

今日は天気も良かったし
朝開けたコーヒーがあたりつきであたりだったとか
朝割った卵が双子だったりで
僕はなんだか素晴らしい特別な1日が始まるような気がしてならなかった


僕は大分早起きをしてエスケープの家にいった
理由は今日は蜂目さんがいないからだ


里帰りだとかで今日だけあの山に帰り皆に顔見せしてくるらしい
だからエスケープをよろしくね

と昨日言われていたのだ
別にエスケープは早起きだから1人でおきれるだろうけど
なんとなくいかなくちゃって気になった
朝ご飯の支度とか
探検道具の支度とか

いろいろしてあげなくちゃならない筈だ

世話をするのが楽しみだなんておかしな話かもしれないが
それはエスケープの世話だからだ
サビコイルなんかの世話ならすごく渋々だろうし

そうこう考えているうちにエスケープの家についた
もう起きてるかなあと思いながらドアをノックする

しかし、返事はない
しかし、何やら中から声がする
しかし、中には今日はエスケープしかいないはずだ


もしかしてレアージュがもう来ているのだろうか
レアージュも決して朝が弱いわけではないが
せっかくエスケープと2人っきりになれると思ったのに
僕の中に嫌な奴の火が灯る


覗き見なんて感心はしないが僕はドアの横の窓から中の状態を確認するあくまで覗き見でなく確認

中を見て驚愕する
たっているエスケープにスカーフをあてがっている存在
それは間違いない


ビロードのような美しい毛並みに覆われた
紫の美しいポケモン
エーフィ…間違いなく射さんだ
照れくさそうにするエスケープに
射さんはあれこれスカーフの巻き方や種類を考えるようにあててははずし
あててははずしを繰り返している

まるで…まるで…
奥さんが旦那さんにネクタイをつけようとするような仕草

「ななな…なにやってんのー!!」
声が変にかえったようになりながら僕は叫びつつドアをあける
もとい破壊した


「だ…ダネ!!何ひとんち壊してんだ!!」
「ご…ごめん!!だけどだけど何で射さんが…ここに・」

脳の理解がおいつかない
何故射さんが…

「へっ、こいつ昨日からいるんだぜ泊まりやがったんだうちに」
悪態をつくエスケープ
「随分な言い方だな、貴様のために泊まってやったというのに」
「頼んだ覚えはねぇな」

ますます話がわからなくなる
何故射さんがエスケープのために?
何故…

「ほら、ダネもう行こうぜ。こいつの顔これ以上見たくないしな」
声を掛けられてはっとする


「う…うん」
「まて、これを巻いていけと言っているだろう」
射さんはそういってエスケープにスカーフを巻く
「ったく…こんなのいらねってのに」
「毒タイプが多い場所だ巻いてて損はないだろう」


そういいながらモモンスカーフを巻く射さん
行く場所も知ってるんだ…


僕の中の嫌な火に油が注がれ
薪がくべられる
嫌な炎は燃え上がり
あろうことか大先輩にふりかかろうとしている

射さんがしていることは…
射さんがしてることは先輩からのアドバイスなんだから


大いに甘え
大いに参考にしなくちゃならないのに


そう言い聞かせているのに


僕の炎は燃え上がりおちつくことがない
先輩に失礼な殺意を持った目で見てしまいそうになる
顔をあげないようにすると
見計らったように声が響く

「ピンクなんてよぅ…」
「なかなか似合っているぞ?少しはピカチュウらしくなったじゃないか」
「へっ…」


少しだけ顔をあげる


あげなきゃ良かった


照れたような顔をするエスケープ
射さんに誉められたのがやはり嬉しいのだろうか
射さんはあまり見せない微笑みを浮かべていた
目が見えなくなりたいというぶっ飛んだ願い事をする日がくるとは思わなかった

「ダネ、行こうぜ。レアージュのとこ行こうこれ以上こいつの顔をみたくねえ」
「ふ…おあいにく様私も今日は依頼が多いものでな」
「けっ…いちいちムカつく奴」
「ふん…」

いつも通りの2人のやりとり
決して仲よさそうには見えない
はずなのに
このうえないどす黒い闇の炎が燃え上がる
悪態をつきそうになってしまう
なんとか渋い顔でそれを飲み込むが
なかなかにツライ
一刻も早く出て行こうとするあまりかエスケープは何も持たずに出て行こうとする


「あ…エスケープ「ほら、忘れものだ馬鹿者」


その声とともに投げられたカバンエスケープはそれはしっかりと受け止める

「餞別だ受け取っておけ」
「そりゃどうも」

そういいながらエスケープはニッと笑う
僅かで
仄かな時間


だけど
それは2人の距離が確実に狭まっていることをしめしているに違いない


「行こうぜダネ」
「あ…うん…」


重い足取りを引きずって僕はエスケープに続いた
少し前の晴れやかな気分はどこにいってしまったのやら


少し進んだところで
少しだけ後ろをふりかえる

一瞬だけ
本当に一瞬だが
射さんが浮かべた
怪しい
勝ち誇ったような
笑みは

間違いなく僕に向けられたものだ


射さんだと思って油断していた
僕の心には動揺以外の言葉が思いうかばなかった


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とりあえず完結ですが!
まだ朝なので〜このあとどうなるかなあとww
つづくかな?
たぶん続きます♪

またもや救助隊キジをおかりしました
リクにお答えして射さんとエスケープでかいてみました
ダネがちょっと不憫すぎるので
続くかとww

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