*嫌な奴*


僕は嫌な奴だ
自分でもそれはわかっている


どんな風に嫌な奴なのか
それは

僕はニャースとの待ち合わせの場所に向かっていた
ワクワクしながら
楽しい足取りで


待ち合わせ場所に近づくとニャースがいるのが見えた
声をあげようと思ったそのとき
ニャースの側に何かがいるのが見えた
目をこらして見るとそこにいたのは僕と同じくらいの年格好のエネコがいた
ニャースはエネコにじゃれつかれていて
ニャースは優しい笑みを浮かべる


何か嫌なものが胸のうちに広がっていく
もやもやとしていてシミのような
みっともない嫉妬の感情
そうわかっていたけど僕はその感情を打ち消すほどの技量は持ち合わせていなかった

本当に子供ぽくてみっともない


誰だって笑みは浮かべるニャースは僕だけのものじゃない
じゃれつかれていて仏頂面でいるほうがおかしい


頭ではそうわかっている


しかし心はそうわかってはくれない


できることなら僕だけに向けてほしい
ニャースは僕だけのもの
みっともない嫉妬と独占欲と子供ぽさ
全てが恥僕には羞恥心がないのか
足をとめたままずっとそんなことを考える
ニャースは僕には気がついてないのかなあとぼんやり考えるいかんせん距離が微妙だから
まるで僕とニャースの関係が微妙だといわんばかりに広がる微妙な距離に嫌気がさす


みっともなさでできた自分
なんだか嫌だ
そんな風に思い感じる僕は
やっぱり嫌な奴だ
みっともないって
わかっているはずなのに
嫌な奴…


いたたまれなくなって
嫌になる
自分の醜い浅ましい心に


けれどそれをおさえつけることができない
本当に子どもっぽくて
嫌な奴


僕は生まれて初めてかもしれない
約束破りをすることにした


とてもじゃないけど
うまく接することが
うまく笑顔を見せることが


できないし
できる自信がなかったからだ

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続きます
約2ヶ月ぶりの更新ですね
すいません

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