失意のまま僕は帰路をぼんやりと歩いていた
考えなければならないこと
反省しなければならないこと


それらはたくさんあるのに
脳は上手く働かず
何も考えられない


たくさんのバトルをこなし
幾度となく負けたこともあるのに
今までこれほどショックを受けた覚えはなかった


深い傷が僕自身に

深い
深い
痛みを送る


痛い
辛い
苦しい


本当にどうでもいい
自暴自棄な気分になる


いままで
「もうどうでもいいや」
なんて思って諦めたことは一度もなかった


思ったこともなかった
ただ今は確実に


「どうでもいいどうなったっていい」


という気持ちが支配していた


みんながいる場所に戻ると視界に入ったのはポッチャマだった
ヘラヘラと笑い楽しそうにしている


僕の苦労も知らず
僕を苦しめていることも知らず
もしかしたら知ってて知らん振りしてるのか
もしくはしめしめなどとほくそ笑んでいるのか


どす黒い気持ち
頭の中で何かが音を立て切れたのを確かに感じた


         ○


そのあとはよく覚えていない
飛びかかったところまでしか
牙をむき突き立てる


誰かがとめに入ったが
そいつすらぶっ飛ばし暴れた
暴走だ


そのあとは本当に覚えていない
今要約意識がはっきりとした
ベッドの上にいる
おそらくポケモンセンターだろう


部屋は暗く外も暗い
もう夜遅いのだろう治療の痕が残る体


しかし


どんなに治療をほどこされてもきっと回復することはない
無機質な展示を見ながら頬に雫が転がるのを感じた


失墜


まさにそうだった

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続きます

ああ、無情

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