躊躇い


「ワドルディー」
呼ばれて声がするほうに顔を向ける
視界がピンクに染まって
考える間もなく唇が暖かくなる

触れるだけの
軽くて甘いキス


受け入れてはいけない
それは受け入れてはいけないキス


だって僕は大王様の手下なんだから
カービィからのキスなんか受け入れてはいけない


カービィを好きになんかなっちゃいけない


わかってる
わかってる
だけど僕はおとなしく受け入れて
あまつさえ味わってしまっている


いけないことだって
頭ではわかってる
わかっているのに


僕に必殺技がないからカービィから逃れられないわけじゃない
突き飛ばすなり
嫌がるなりしたらいい


なのに


僕は微動だにせず
口で抗するわけでなく
おとなしく寧ろ進んで受け入れてしまっている


どうして
どうして
ダメだってわかってる
わかってる


だけど
だけど


胸がドキドキして
脳が痺れてしまって
どうしようもなく気持ちよくて
僕は抵抗できずにいる


「ワドルディー大好き」


そう言って笑う彼
つっぱねればいい
僕は嫌いと言えばいい


だけど
だけど


「僕も」


僕から出た答えは裏切りそのものだった
ごめんなさい大王様
ごめんねポピー


でも僕はどうしようもないくらいカービィのことが好きみたいなんだ
再び近づいてくる甘いピンクに僕は静かに目を閉じた


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歌とかSSSが最近のマイブーム
リクエストそろそろ消化しますかな
3件だけどww

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