*close to me*


星の停止が止められたあの日
私はそれを感覚で感じとった
同時に悟った
自分は消えるんだと


ずっと未来にいる私にはまだ影響がこないようだけど
くいとめてくれた勇者は
おそらく消えてしまっただろう


現世のパートナーと仲むつまじくなっていたことを思うと
かわいそうでしかたがなかった
消えてしまったほうも
消えられてしまったほうも
きっと深い悲しみに覆われただろう


それは自身にも言えることだった


「ジュプトル・・・」
停止した暗く悲しい空に声をなげても
もちろんかえってくるものなどない
停止した世界でわたしの声は響かない


あれからどれだけさがしただろう?


何度ときわたりをして
何度飛び回って
何度ぼろぼろになったのだろう?


数えることさえ飽きてしまった
停止してしまったこの世界では数など無意味だ


そして・・・


何度涙をながしたのだろう・・・
そう思いながらまた頬を伝う熱きもの


とまることなどないことを
自分の顔など見るものがいないことなど
わかっているけども
両手で顔をおおうしかなかった


自分がしたことは決してまちがってなどいない
それは自分でもわかっているし
ジュプトルだって後悔していないだろう


幾多もの生命をまもり
数多もの未来をまもり
幾多もの思いをまもり
数多もの理想をまもり


そして


幾多もの愛と
数多もの恋を


守ったのだから


ぐっとこらえたそのとき
体が急に重たくなった


周りに光があつまり
自身の体が透けはじめた


いよいよか
覚悟していたこと
悲しさなどない
涙などない


それに
涙はあの人のためだけに使い
あの人のためだけに枯れ果てた


もう半分以上透けてしまった
いいのだ自分を失い悲しむ人など
この閉鎖世界にはいない


でも
でも
でも
でも


消える前に
消える前に
消える前に


一目でいいから


あの人に
あの人に
会いたかった


体が完全に透けきったとき
迎えの光のなかに


皮肉だった
そう思って変にほくそ笑んだ
あれだけ探していなかったあなたが





こんなに近くにいる


ほくそ笑んだ顔に
枯れ果てたはずの
熱い思いがながれ
あふれでて
湿らせた


なにもいわなくていい
きっとなにをいっていいか

まよっているだろうから
なにもいわなくていい


だから


何かを言うかわりに


強くだきしめて


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ちょっとシリアスで切ない感じ
ぜんぜんツンでないけどもゆるしてくださいw

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