日記


「ピカチュウ?いないの?」
キョロキョロとあたりを見回しながらエテボースが探るように声を出す
もう日がかたむいてしまいあたりはまぶしく赤くなっていた
「昼間はここにいたんだけどなあ・・・」
そういって片方の尻尾で頭を掻く
「まあどうせ・・・あのひとのトコでしょう」
そういってため息ひとつつきながらも少し微笑んだ



昼間サトシたちはここで休憩しようといって休憩にはいった
湖付近の木陰というのは夏でも乾いた心地よい風が流れ
人々の意識をとばし眠りの世界へと導く
大半のメンバーは寝てしまったが
ピカチュウがサトシが寝た後
1人こっそりこちらほうに来ていた
「ああ通うわけねあの人のとこに」
理由をしっていた
とうかかってに予想して納得した私は眠りについた


めずらしくない
ピカチュウはすきがあればこういうことをしていた
朝でも昼でも夜でもおかまいなしに
相手は相手でピカチュウの状況をわかっているため
ピカチュウをころあいを見計らってかえす
だから安心していた


しかし今日は違った
眠りから覚めようとピカチュウはかえっていなかった
夕食が近づいてもかえってこなかった
心配する皆が探し出し
私も知りながら見送ったため
多少の罪悪感を感じつつ捜索にあたっていた
少し不安がよぎる
「よもや二人で逃避行したのでは」と

「いったいどこに・・・ん?」
何気なく近くにあった切り株をみると
一冊の本のようなものがおかれていた


手にとってみるとタイトルがある
「ピカチュウ冒険記」
タイトルから察するにピカチュウの日記のようである


「どうしよう」
人の日記をみるなんて
そんなの人権侵害だ
そんなのダメ・・・ダメ・・・


などといいつつ手には日記
湧き上がる好奇心を制御できず
尾は表紙をつかむ


「まあ・・・手がかりになるかもしれないし・・・日記はみられるためにあるしさ・・・」
言い訳がましいとはまさにこのことといわんばかりのごたくをならべながら表紙を開いた


○月×日
今日はジム戦があった勝った。
今日はジム戦にかったからニャースがご褒美をくれるといって胸が高鳴った
どうしてニャースはこんなにいいひとなんだろう
胸がドキドキする
ご褒美はニャースが作ってくれたオムライスだった
卵を三個使っただけありトロトロでケチャップたっぷりでおいしかった
ニャースは何でもできる天才だ
ニャースにできないことなんてない
本当に誇らしい
でも別のご褒美を期待してたからちょっと残念だった



○月×日
今日はヨスガコレクションだかにでたなんとか賞をもらったんだけど忘れた。
それよりニャースが今日はとても怒ってた
あんな衣装で舞台にあがるなみせるなとかなりおこられた
だから嫌だったのにバカサトシめバトルバカ
でも怒られるのはちょっと興奮した
おしおきを考えるとさらに興奮した
実はニャースも衣装にムラムラしてた
ニャースはやさしすぎるから時々ものたりなくなるから
でもニャースは優しいのがすごくいいとこほんとにニャース大好き


○月×日
今日は邪魔なコダックの群れにあった。
ニャースがベトベトンに汚されなくてよかったと笑ってくれた
けど僕は汚されてニャースに洗ってほしかったから物足りないと思っている
するとニャースに見透かされたのかニャースに水場につれてかれた
ほんとニャースは誰より僕を知ってて思ってくれてるほんとに大好き
汚されってことばを書くとちょっとどきどきする
というかニャースをもしかしてわざと汚されを連呼してたのでは
まさか計算!!そんな僕興奮し・・・


「どこが日記だああああ!!」
と叫びながら地面にたたきつける
破り捨ててしまいたい衝動をなんとか抑える
すると草陰から
がさがさとおとが聞こえた
ほぼ同時に越えも響く


「ふふふ〜あ〜楽しかった」
上機嫌で登場したのは問題の子ピカチュウ
「ん?なにしてんのエテボー・・・あー!!僕の日記!!みーたーなー!!」
一瞬で日記を見られたことを悟ってピカチュウが怒る
「やかましい!!私なんか読んで後悔したよ」
「何人の日記読んで逆切れしてんのさ?」
「うるさい!!第一ナニコレ?日記?これ日記?9割ニャースのことばっかりじゃねーか!!ジム戦の感想淡白すうぎるだろ!!てかヨスガの賞忘れちゃったの??」
「ニャースのことだけで頭がいっぱいなんだよ」
「ジム戦のいきづまる攻防戦とかかけよ!!ジム戦の感想10文字弱ってあんた」
「とりとめて書くことでもないでしょ?」
「いや!!ニャースのほうがいらないよ?」
「僕の中の世界はニャースと僕だけのせかいなんだよ」
「お前らはアダムとイブか??リンゴ蛇にそそのかされて食べて追放されてしまえ!!」


たとえ一瞬でも罪悪感を感じ
たとえ一瞬でも心配した
それが馬鹿らしくて私は声を張り上げて怒った
そして思った
「いつでも2人で逃げろと」


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ギャグテイストに仕上げてみましたw
個人的にはかなりきにいっておりますw

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