やめられないわけが分かったかも

*悪戯*


「うわぁ!?な、なんだあ」
「なんでこんなトコロに落とし穴が!?」
「ひえぇぇ、誰か〜」


落とし穴におちた
子供たち


さほど深い穴ではないのに
落ちてしまったことに動揺し
慌てふためいていた


そして


「ひひひ、ばっかでー!!あははは」


その様子を
腹を抱え
ころげながら
笑う


小さな悪魔の影が
木の上にひとつ


「ははは、ほんとにおかしー」


木の上から
笑い眺める
まさに高みの見物


そんな小さな影に
重なるようにもう1つ小さな影が現れる


「まーた悪戯してるの?くるりさん」
「おう、ひらりじゃねーかその通りへへおかしいぜ」


ひとつの影は抱腹絶倒し
もうひとつの影はため息をつく


「もういい加減にやめなよ、こんな幼稚なこと」
「やーだね、悪戯はオレの生甲斐なんだ」


やれやれと思う
どうしてこの人はそう
ひねくれもので曲者なのか


かわいらしくて
愛らしい容姿をし
煌き輝く大きな
宝玉のような目をしていて


一見するとすごくかわいいのに
絶対損をしている
もったいない


「君もつくづくしょうのない人だよね」
「けっ、じゃあよおひらりは悪戯好きじゃねえのかよ?」
「え?」


急な質問におどろき戸惑う
悪戯が好きか
そんなこと考えたこともなかった


「おもしろいんだぜー」
そういいながら
ニカッと笑う


そのままの笑顔でいればかわいいのに


「どんなとこが?」


なんとなく
それとなく
聞き返してみる
すると満面の笑みを浮かべながら
彼は言った


「そりゃあ、相手の驚く顔とか困った顔を見るときだよ」


悪い人
そんなことを思っていた矢先
僕にも


悪魔によって
あるひとつの悪戯が
もたらされた


「そうだね、そう聞くと楽しそうかも」
「だろう?おもしろいぜ」
「じゃあ、やってみるよ」


刹那
満面の笑みを浮かべていた口元に
唇を押し付ける


そんなに長くない
ほんとうにしていた時間は一瞬
少しばかり唇をあわせただけ


離すと
彼は顔を真っ赤にして
固まっていた


暫くすると
われをとりもどし


既に赤い顔をさらに赤く染め上げた


「ば、ばかなにすんだよ!!ひらり」
「何って…悪戯だけど?」


そういってニコリと微笑むと
さらに慌てふためき
たどたどしい言葉遣いになる


「お、おぼえてろよ!!つ、次はオレが悪戯してやるからな!」
「それは、キスするってこと?」
そういうと
目を白黒させ
その場から逃亡してしまった


クス…


だれもいなくなった木の上で静かに満足そうに微笑みながらつぶやく


「たしかに悪戯は楽しいね」



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はぴくろより
ひらり×くるり
初めてのはぴクロがこれか…
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