どうしてそんなに愛しいかな


*Jealous*


ひとしきりヒコザルに話し終わった後
ニャーは立ち上がり
歩き出した


「あ、あの…」
ずいぶんとオドオドとした
弱弱しい声
立ち止まって振り返ると


さきほどまでとはいっぺんした
表情の彼がいた
にこやかな笑顔で彼は言う
「ありがとう」


そういってまぶしいくらいの
笑みをうかべる


そんな顔ができるのか
そんな笑顔ができるなら
ずっと浮かべていればいいのに


「その顔の方が…よっぽどらしくて似合っているのニャ」
そう一言つげると
ニャーは暗い森の中へ向かって
歩き出した


ヒコザルはいまだあの場所に立っているようだった
ヒコザルの死角まで来て
ニャーは口をひらいた


「いつまでそうしているつもりなのにゃ?」
そう草むらに問いかける
返事はない


「ここはヒコザルの死角にゃよ?」
そういうと彼はようやく草むらから姿をあらわした


ピンとのびた耳に
煌く瞳
桜桃のように赤い頬


でてきた人物は
ずいぶんと不機嫌そうで
おもしろくないというのを象徴したかのような顔つきであった


「物好きだねヒコザルも」
ツンとしたような
鼻につくような
言い方


「どういうことにゃ?」
理由などわかっていたけど
いちを聞く
おもしろいから


「ニャースに相談するなんて、おとなしくしてるなんて随分と物好きじゃないか」


笑いがこぼれる
ほんとにこのピカチュウという存在は
にゃーを魅了する


「妬いてるの?」
そういってみる
すこしたじろぐ君が視野に入って
また笑みがこぼれる


「めすらしいね君が妬くなんて」
そうつけくわえてみる
珍しくなどないけど


彼はすごくヤキモチ妬きだ


ブルーのときもそうだったし
マドンナの話をしたときもそうだった
サカキ様の話など禁句もいいとこだ


「妬いてなんかないさ」
そう言って
にゃーに近づく


「ただ」
「ただ?」
そう聞き返すと


羽が生えたかのように
軽く
ふわりと
はねて


ニャーにしがみつく


「ニャースは僕のなの」


そういってギュッとだきつく腕を強める


それはヤキモチいがいのなにものでもないのに
ヤキモチいがいの何と呼ぶんですか?


そんなことを思いながら
僕は頭を静かになでた



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DP53をしらない方にはわからないネタですよねww
ニコニ●動画などであるかもしれません…


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