「カラコロ…コロカラ」
「バリ…バキ…」

転がすような音と
砕くような音


響くのはその異様な音のコラボだけ

折角の二人きりなのに
そんなことを思いながらため息をつく


*ビター*


久々の2人きりだった
皆が気を利かせてくれたのが目に見えて分かった
なのに


とうのブイゼルは先ほどから飴に夢中


そんなに旨いかこの飴が
たいして旨くないじゃないか
ただのなんの変哲もない飴だ


サトシのポケモンになってから
2人きりなんて久しぶりなのに


僕より飴か
そうかそうか


折角仲間が作ってくれた機会だが
僕はすっかりふてくされていた


チラリと横目でブイゼルを見る


ブイゼルは飴を舐めるというより
強靭な顎で砕いているという感じ
流石何にでも攻撃的なやつ


そんなことを思っていた矢先


僕はあることに気がついた


ブイゼルを見ているとあることに気がついた
ブイゼルは先ほどから
好んで青色のものばかり食べている


少し悪戯をしてやろう
そう思って僕はクスリと笑った


ブイゼルが青色ばかり食べているため
青色はどんどん減っていく


そして


青色が最後の1つになった


「今だ!」


そう思って最後の1つをさっと奪いとるようにしてとり
手の中に隠す
先の青色を食べ終ったブイゼルが
先ほど確認した最後の青色を取ろうと袋を覗く


が


当然入ってない
頭に?をうかべる


僕はブイゼルに得意気に僕は話しかけた
「へへーん、これなーんだ」


そう言うとブイゼルはこちらを向く
向いた瞬間に僕は飴を投げて口でキャッチする
「へっへー最後の僕が食べちゃったもんね残念でした〜」


そういって笑った


しかし


ブイゼルは悔しそうな顔も
泣きそうな顔もしていない
何故だかニヤリと微笑んだだけ


なんだつまんない
そう思ってちょっと油断した


そのときだった


右手を引っ張られてバランスを崩す
あわてるその瞬間


「んぅ…」


キスをされる
唇をあわせるだけの
生温かいキスではない


舌が侵入して
ねっとりとしつこいキスをされる
舌で舌を絡みとられる


息が苦しい
その時
口の中から飴が奪われたのがわかった


ほどなくして口をはなされて
僕はむせる
ブイゼルはさも涼しい顔で言う


「あるじゃねえか」
僕を息切れをおこしながら涙目で睨みつける
「な、何をぬけぬけと…」
「へん、誘うテメエが悪いんだ」


そう言い切ると再び飴をたべはじめる
そして一言
「こんどは赤をたべるかな」


そういってニヤリと笑む
それに僕は真っ赤になって僕は反論する


「し、知らないよそんなの!///」
そういってのける
もうゴメンだこんなこと



そう思ったはずはずなのに数分後ぼくは最後の1つの赤の飴に手を伸ばしていた


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