気をつかうなんてらしくない

夏祭り  1誘い


「どしたんだ今日は?」
そうつぶやいて頭を掻いた
なにがどうしたかって客足だ
あと周りの店だ


まだ4時まえだと言うのに
周りの店は閉める準備をしている
さらに人通りもほとんどない

何かあったのか
それとも何かあるのか
しかしまったくわからない


わからないなら聞くか
そう思い奥の部屋へ入った


「おいミケ」
オレは奥でアイロンがけをしていたミケに話しかける


すっかり慣れた手つきでアイロンをかけ
かけた衣類をたたむ
そんな作業を中断しミケはオレのほうを向いて言った


「なんですかニャ?」
「今日何かあるのか?もうどこも店閉め始めてる」


ミケはちらっと時計を見た後
たしかに早いなあと思ったらしく
唇に指をあて「んー」となにやら考えた後
「ああそういえば!」といって手を叩いた

「ヒョロさん今日はお祭りですニャ」
「だからみんなお祭りに行くために店をたたんでますのニャ」


そう言ってまた洗濯物に目をうつした
「お祭り・・・・今日だったっけ?」
「はいですニャお隣のおばさんがいってたニャ」
アイロン台に洗濯物をおきながら言う

「今日はスターダストフェスティバルだとかいう大きなお祭りらしいですニャ」


そういえば言ったことがある
といってもすいぶん小さいときのことであるが
たしか夏にあるお祭りの中で
もっとも大きなお祭りだ


なるほど納得した
だからみんな店をしめてるんだ
そう思いながら
オレはふっとミケに目をやる


「ミケおまえ・・・」
「なんですかニャ?」
アイロンをかけながらミケが言う
「行きたいか?」
「?」
わけがわからないという表情でオレを見る
「お祭りにだよ」

そういうオレの言葉を聞いた後
アイロンをかけおえた
シャツをたたみ置く
「そんなのいってるヒマないですニャ」


そういうとアイロンがけした服をもって
クローゼットの前まで行き
中に衣類を入れながらつづける

「魚屋は朝早いからそんなの行ってたら寝坊しちゃうニャ」
そう言うとクローゼットを閉じ言った


「だから行きたくないですニャ」
そう言ってニコリと微笑む


いつからそんなに強くなったんだ


弱くて、あぶなっかしくて、ダメダメだったのに
いつからそんなに・・・


でもな
悪いけど
わかる


ホントは行きたいんだろ?
そんなことはお見通し


「おい店閉めるぞ」
「え?」
おどろいた様子でこちらを見る


「お祭り行くから閉めるんだ」
「で、でも」
そういっておどおどしている
「オマエの意見じゃねえオレが行きたいんだ」
そう言って品物をかたずける


「なんなら留守番してるか?」
そういってニヤリとしミケを見る
「イヤ!そんなの嫌ニャ!いきますニャ!」
手をぶんぶんふるいながら言う
「じゃあ閉めるの手伝え」
そう言ってまた品物を片付けだす
「ハイですニャ!」
うれしそうな顔をしてこちらに向かってくる

そうだ


オレはオマエのその顔がみたいんだ


もひとつ言わせてもらうと


オマエと祭りにいきたいんだ

らしくないな

そう思うと自然と顔が赤くなった


続く

ラムネから数年後設定です
ラムネぐらいのときのあどけなさで祭りを楽しむのも
アリでしたが
ありきたりかと思い
こんなふうにしました

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