*return*


「ひきとめてはくれないんだね」
「オレが引き止めたところで何になる?」


彼はそう冷たくあしらう


わかりきっていた反応と言葉
わかっていた筈なのに涙が出そうで
キュッと唇を噛んだ


「ご主人は決めたことは曲げない、ましてやオレ程度が抗議したとこでな」


追撃をかけるような冷たくつきささるような言葉で胸をえぐられる


「じゃあ…僕もう行くよ」

泣きたいのを必死に堪えながら
捻り出したせいいっぱいの言葉


しかし


「ああ、元気でやれよ」


それすら軽くあしらわれる
それが悔しくて
悔しくて


ついつい強い喧嘩口調で言ってしまう


「うそだったの…好きだって言ってくれたことは」


その言葉に要塞のように静に強くたたずんでいた体がピクリと動く


「うそだったんだね…だってじゃないと…離したりしないよね」


そこまで強く言いきると
勢いよく踵をかえして走りさろうとする


泣き顔なんて見せたくない
自分を好きだと甘い言葉でだましていたやつなんかに


しかし


走りさることはかなわなかった



肩口を強くつかまれ地面にひきたおされてしまった


「痛…」
「お前は勘違いをしている」


そういってニヤリと笑むと倒れている僕におおいかぶさるようになり
両手を顔の左右におろし僕を閉じ込めた


そしてつくかつかないかの距離まで顔を近づけると


脅えた表情の僕にいいはなつ


「愛するってのは近くにいなきゃ駄目か?」


震える僕の顔にてをそえる


「縛ろうとするから逃げるんだ」


「自由にさせとけばいいお前は必ず俺のもとに帰ってくる俺から逃げることも俺を忘れることもできやしないのさ」


そういうとキスをおとすネットリとした巧みなキスしつこく長いキスが終わる


「そ、そんなこと…」
「ないって言えるのか?」


睨みつけたはずのめはまさかの睨み返しにあう


返す言葉がみつからずに黙りこんでしまう


「まあいいさ」


そう言うと彼はあっさりと退く
「行けよ」そういわれ逃げるようにその場をさる


「どうせ逃げられやしないさ」
そう言ってエレキッドはニヤリと微笑んだ


このときの予言が
あたってしまうことなど
このときの僕は知るよしもなかった


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初のエレヒコもの
鬼畜だよねエレキッド絶対にw
最近ダーク増え気味
一番すきなのはほのぼのですがねw
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