*葛*


「葛ってこんなに綺麗な花だったんだね」


横に座っている思い人は
さも想像と違うといった雰囲気で話かけてきた


「はは、クズなんて名前だからしょぼいと思ったのか?」


そう笑いながら問いかけると
すこし困ったような顔をするそして答える


「それもあるけど…エレキッドがよく言ってたから」
「どういうことだ?」


エレキッドそのキーワードに強く反応して素早く聞き返した
男の直感というやつかアイツはおそらく…


「お前は屑を通り越して葛の花だって」
「…」


オイラは何もつぶやかなかったが
ヒコザルは続ける


「お前の目はまるで葛の花みたいで、存在も葛の花みたいだって」
「…それで?」
「だから僕みたいに酷い花なのかなあって思ってた」



ヒコザルはどうやらそのエレキッドの言葉を自分への罵倒として受け取ったようだ


しかし


実際はそうではない
罵倒とみせかけた


それは
誉め


いいかえれば


「葛の花のような綺麗な目をして可愛い」


という風に解釈できる


ストレートに言わないエレキッドもエレキッドだが
気がつかないヒコザルもヒコザルでどうかと思う
鈍感すぎる


花に似ているという時点で
略100%誉め言葉に違いないなのに


気がつかない君は…少しばっかり罪だ



だけど安心してる自分がいるそんな自分も罪なのだろうか


「負けられないな」
「何か言った?」


小さな声で少しばかり聞こえていたようでヒコザルは聞いてきた


「こっちの話さ」


そういってかわすと寝そべる
人のことは言えないな
そんなことを思いながら
ひっそりと笑った


オイラも素直に言えないからな



ちょうどいい気温の
すごしやすい茜色の夕暮れどき
飛んでいく1つの葛の花を見ながら


つぶやいた


「負けないし引かないぜ…エレキッド」


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エレキッド→ヒコザル←ナエトル的な感じ
ヒコザルモテモテだなあ
因みにラテの脳内ではエレキッドは永遠にエレキッドです
エレブーにはなりません(え


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